■キュウリ 栽培スケジュール
■キュウリ 栽培データ
英名・学名 cucumber・cucumis satirus L.
形態 一年草
原産地 インド北部、ヒマラヤ山麓
草丈/樹高 200cm~
収穫期 6月~10月
栽培難易度(1~5) 3
耐寒性 弱い
耐暑性 普通
特性・用途 長期収穫が可能、多収が望める
キュウリは、毎日、5~7㎝も伸び、ぐんぐん生長します!
キュウリは、手間をかければかけるほど、次々に雌花が咲き大収穫が望めます。
家庭菜園で育てた朝採りキュウリは、格別のみずみずしさ!
たくさんのキュウリを収穫し、猛暑を乗り切りましょう。
*より詳細を知りたいかたは、青いリンクのページをご覧ください。
[キュウリ 地植えの育て方]
■キュウリ 地植えの育て方
・種まきからの場合
種から育苗する場合、種播きの時期をおおまかに逆算します。
キュウリが定植できるほどに育つには、30日~35日ほどかかります。
例えば、5月中旬に定植をしたい場合は、
3月下旬~4月上旬には種播きをしておく必要があります。
キュウリの発芽温度は25度~30度と少し高めなので、
種播きから育苗中は加温が必要となります。
定植するまでの手間と、加温するための道具が必要となるため、
初心者の方は苗からの栽培がお勧めです。
>>キュウリ 種からの育て方
・苗を選ぶ場合
キュウリを苗から育てる場合、
最初は苗を購入するのがスタート地点です。
良い苗を選び抜き育てると、その年のキュウリの出来が、
最高になるといっても過言ではありません。
良い苗の選び方には、いくつかのポイントがあります。
◎苗を選ぶ時のポイント
・全体がしっかりとしていて、徒長していない
・葉に厚みがあって色が濃く、表面にうぶ毛が生えている
・子葉(双葉)がついている
・虫食いあとや、変色・病斑などが出ていない
・ポットの底から白い根が見えている
・本葉が3枚~4枚ついている
畑などで地植えにする場合、接ぎ木苗を選ぶのも良いでしょう。
接ぎ木苗にすることで、連作障害による病気が出にくくなります。
接ぎ木苗を購入する場合も、良い苗を選ぶようにします。
>>キュウリ 苗の選び方
・植え場所(栽培環境)
キュウリは、日当たりと風通しの良い場所で育てます。
キュウリの葉は、1枚1枚が大きくなり、風通しが悪くなりがちです。
風通しの悪い場所で育てていると湿気がこもり、
いろいろな病気にかかりやすくなります。
極端に日当たりの悪い場所で育てると、葉茎の色が薄くなるばかりか、
節と節の間が広くなって徒長し、花付きも実付きが悪くなります。
キュウリは連作にやや弱く、2年以上休めば、障害が出ずに栽培できます。
栽培間隔をあけるようにしてください。
>>キュウリ 連作は
・畑の準備
◎土づくりと畝たて
苗を植え付ける2週間前までには、
用土が安定するように畑の準備を済ませておきます。
まずは土を耕します。
深さ20cmほど掘り返して土をよくほぐしたら、
1㎡あたり堆肥を3kg~4kg、苦土石灰を120gほど加えてよく混ぜます。
1週間経ったら、1㎡あたり150g~200gの化成肥料を加えます。
化成肥料は、窒素・リン酸・カリが8:8:8のもので十分です。
元肥を入れ過ぎると、病気にかかりやすいので注意します。
まず化成肥料の半量を、畝の中心に溝を作って仕込みます。
周りの土に残りの半量を加えてよく混ぜ、高さ20cmの畝を作ります。
畝幅は、1条植えなら100cm、2条植えなら150cmの幅です。
株と株の間は40cm~50cmを基準とし、
複数の株を植え付ける時は計算して畝の長さを決めます。
>>キュウリ栽培の用土
>>キュウリ 肥料
◎マルチを敷く
畝を立て後、マルチ栽培のためにビニールマルチをかぶせる場合は、
畝を立ててすぐにはかぶせせてはいけません。
雨が降り、土がまだ湿っている状態の時に、ビニールマルチをかぶせましょう。
マルチの裾は風で浮き上がらないように、土をかぶせて留めておきます。
マルチをすることにより、地温を上げることができます。
また、雨が降った時や水やりをした時に、
泥の跳ね返りによる病気の感染を防ぐこともできます。
雑草の予防にもなるため、土の栄養をとられる心配も減ります。
マルチで地温を上げ、泥はね、雑草を防ぎます
・植え付け
気温が十分に上がった、5月上旬~5月中旬頃が適期となります。
どうしても4月中に植え付けを行いたい場合は、
トンネル栽培などをして寒さに当たらないようにします。
まずはポット苗にたっぷりと水を与えておきます。
こうすることで、定植時に根鉢が崩れにくくなります。
次に苗を植え付ける予定の場所にポットのまま仮置きします。
場所が決まったら、畝に植え穴をあけます。
マルチをしている場合、植え付ける場所に、
ハサミや専用の器具をつかって穴をあけてから、畝に植え穴をあけます。
植え穴に水を入れて染み込ませ、ポットからはずした苗を植え付けます。
この時、苗の根鉢が畝の表面より少し出ているくらいの浅植えにしておきます。
植え付けが終わったら、たっぷりと水を与えておきましょう。
植え付けが早い場合や、遅霜などの寒さが気になる場合は、
気温と地温の確保のため、防寒対策をしておきます。
プラスチック製のホットキャップや、ビニールで苗を覆っておきましょう。
また、根付いていない苗が水切れを起こさないよう、
マルチをしていない場合は、株元にワラなどを敷いておくと良いです。
ホットキャップやビニールで苗を覆って防寒対策をします
・仮支柱
植え付けた後、仮支柱を立てておきます。
支柱を立てずそのままにしておくと、
風にあおられて大事なつるが折れてしまうことがあります。
また、株が大きくなり、つるが伸び始めたら、頑丈な支柱を用意しておきます。
支柱をしっかりと頑丈に組んでおくことで、
台風などがきた場合も被害を抑えることができます。
・水やり
植え付けから10日~2週間ほどは、
根付いていないためあまり乾かないように注意します。
それ以降は、土が乾いていたら水を与えますが、
キュウリは根が浅く広がるため、水切れを起こしやすいです。
また、生育が旺盛になってくると、葉からも水分を蒸散する上に、
実を育てるためにたくさんの水を欲しがるようになります。
土の表面が乾いていたら、水を与えるようにしておきましょう。
ただし、過湿にしてしまうと病気になりやすくなるので、
土が湿っているうちは水やりは控えます。
ビニールマルチを畝にかぶせていない場合は、
株元だけでなく、畝全体にワラなどを敷いておくのがお勧めです。
土から蒸散してしまうのを防ぐことができます。
>>キュウリの水やり
・追肥
植え付け2週間後から、2週間おきに計3回追肥を行います。
1回の追肥で、1㎡あたり60g~70gの化成肥料を与えます。
ビニールマルチをしている場合は、マルチを一度はずして与えるか、
畝の肩に棒などで何か所か穴をあけて、そこに追肥します。
・摘芯、整枝
立てた支柱と同じ高さになったら、先端を摘んで摘芯します。
キュウリの品種よって、実の生り方が違うため、性質に合わせて整枝します。
実の生り方には、節生り・飛び節生り・中間とあり、
それぞれに実のつく場所が少しずつ異なります。
・誘引
最初はツルの伸びもゆっくりですが、
気温が高くなってくると、ツルの伸長も早くなります。
長くなりすぎてからは整理しづらくなるので、
1週間に1回はツルの状態を見て、支柱やネットに誘引するようにします。
・支柱・棚作り
支柱を組んで誘引したり、組んだ支柱にネットを設置して誘引します。
また、棚を作って栽培するのもお勧めです。
初心者の方は、比較的容易に設置できる、支柱に誘引する方法がお勧めです。
複数の株を育てている場合は、ネットを利用すると広い面をカバーできます。
合掌式支柱
竹などで組むのも良いです
・収穫
生育スピードが速くなってくると、次から次へと花を咲かせて実をつけます。
実が大きくなるのも早く、たった一晩で驚くほど大きくなってしまうこともあります。
大きくなった実は、皮が硬くなるため生食に向きません。
反対に、まだ少し収穫には小さいと思える実も、
普段とは違った食感でおいしくいただけます。
大きく育って食味が悪くなるより前に、
少し小さくても収穫してしまう方が無駄がありません。
大きくなるまで実をつけていると株が疲れやすくなるため、
できるだけ若いうちに収穫するのがポイントです。
若いうちに収穫すると株が疲れずたくさん採れます
・病害虫
うどんこ病やベト病などのキュウリの病気は、
水はけの悪い土や、風通しの悪い場所での栽培によって起きやすくなります。
まずは土の水はけを良くしておき、傷んだ葉などはすぐに取り除いて、
ツルが絡まってしまわないよう、風通しをよくしておきます。
害虫はウリハムシという虫がよくつきます。
防除が難しいのですが、放っておくとどんどん増えていくため、
見つけたらすぐに捕殺するようにします。
■キュウリ 地植え 育て方のコツ
1.栽培初期の寒さに注意する
2.梅雨が明けたら水切れに気をつける
3.大きくなりすぎる前に収穫
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 苗の選び方