時無みどり胡瓜
時無みどり胡瓜は、山陽種苗株式会社のキュウリです。
この品種は、夏秋栽培に適したキュウリなので、
7月頭の種まきでも、充分に露地で栽培が可能な品種です。
夏秋性の強い品種のため、促成栽培には適しませんが、
高温期に強く、とても育てやすいです。
時無みどり胡瓜について、さらに詳しく紹介していきたいと思います。
■時無みどり胡瓜の特徴
・果実
果実の長さは、約20~21センチで、重さは、約100グラムです。
果実の長さだけ見れば、平均的なキュウリよりも、
少し短く感じるかも知れません。
白イボ系と呼ばれるキュウリなので、イボは小さくて少なく、
目立ちにくいです。
鮮やかなグリーンのカラーとツヤがあり、果実自体がとてもきれいで、
秀品率の高いキュウリがたくさん収穫できます。
高温期でも色、ツヤ、味の良いキュウリがとれます。
・草姿
茎は太く、節間は短く、しっかりと丈夫な株に育ちます。
肥料をしっかりと効かせて管理しましょう。
・美味しさ
皮は口に残りにくく、苦味や青臭さの少ない品種です。
お漬物各種、サラダ、なんでもよく合います。
最近、我が家では生食の他、キュウリの加熱調理にも、
チャレンジしています。
中華料理では頻繁に炒め物の具材になるキュウリですが、
日本ではあまり馴染みがありません。
しかし、良い歯応えが残り、炒めても凄く美味しいんです。
是非、チャレンジしてみてくださいね。
もろきゅうもおいしいです
■時無みどり胡瓜の栽培のコツ
・適作型
露地栽培とハウス抑制栽培に適しています。
促成栽培には適していないので、気を付けてください。
・種まきの適期
中間地の露地栽培では、4月下旬頃~7月上旬頃まで、
種まきできます。
ハウス抑制栽培では、7月下旬~8月上旬が適期です。
・ハウス抑制栽培の注意点
低温に弱いので、最低11度以上を保ち、
日中は、30度以内になるように調節します。
・肥料切れに注意する
時無みどり胡瓜は多収性なので、カリ分は多めにして、
収穫期に肥料が切れないよう、充分に与えてください。
光の季
光の季(ひかりのとき)は、株式会社ときわ研究所のキュウリです。
夏秋栽培に適した品種で、とても品質の良いキュウリがとれると評判です。
光の季は、具体的にどのような特性のある品種なのでしょうか?
■光の季の特徴
・果実
果実の大きさは、約21センチほどで、平均的なサイズです。
色もハッキリとしていて、つやがあり、見栄えが良いです。
高温下でも生育が良く、果実が短くなるなどの、
暑さによるトラブルが起こりにくく、真夏でも栽培しやすい品種です。
果実の揃いも良いので、プロの農家の方にも評判で、
出荷率も上々です。
・草姿
茎が太く、葉も肉厚で、全体的にしっかりとした丈夫な株に育ちます。
側枝の発生も良く、孫枝以降も良く発生し、元気がいいです。
果実の肥大もスムーズで、バテにくい性質をもっているので、
草勢維持も簡単です。
・収量性
果実の揃いが良いだけではなく、たくさんとれる品種なので、
収量性が高く、出荷の視点から見ても、おすすめできる品種です。
・耐病性
ZVMV(ウィルス病)やうどんこ病などにとくに強い品種です。
また、褐斑病、べと病の発生も少ないので、病気において、
とても、安心して栽培できる品種と言えるでしょう。
■光の季の栽培のコツ
・栽培方法
一般的なキュウリ栽培に準じます。
ときわ研究所は、キュウリの育成を専門に行っている、
珍しいプロフェッショナルな会社なので、そこで生まれた光の季も、
とても育てやすく、優れた品種だと言えます。
・台木
同じ、ときわ研究所から出ている「ぞっこん」、「ときわGT-Ⅱ」、
「ときわパワーZ2」に適しています。
・雌花着生
主枝雌花率は、3月~4月の種まきで、主枝40~50パーセント、
5月~6月の種まきで、30~40パーセント、
7月~8月の種まきでは、20~30パーセントほどまで落ちてしまいます。
主枝、側枝ともに、1つの果実がなるのが基本です。
側枝は、盛夏期で飛び成り性となります。
艶香
艶香(えんか)は、耐病性と高品質、多収性を兼ね揃えた品種で、
株式会社ときわ研究所にてつくられました。
比較的新しい品種である艶香ですが、
どのような品種なのでしょうか?
■艶香の特徴
・果実
果実の大きさは、約21~22センチです。
果実の色は、緑色で色濃く、秀品率が高いのが嬉しいポイントです。
・収量性
果実の肥大スピードは他のキュウリと比べてもスピーディーで、
初期から多くの果実を収穫することができます。
真夏などの環境の悪いときでも順調に果実が太り、
尻細果や尻太果実などといった奇形果の出来は少なく、
安定して果実が揃います。
・耐病性
褐斑病、うどんこ病、ウィルス病にとくに強い品種です。
また、べと病にも強く、総合的に判断しても、病気に強い品種と言えます。
このように、複数の病気に対して耐病性をもっている品種を、
”複合耐病性品種”といいますが、多くの病気に耐病性があるので、
初心者でも育てやすい魅力があります。
薬剤の散布を極力減らすことが出来、栽培後半になっても、
元気で丈夫な株を保つことができるので、安心です。
高温期の急性萎凋症の発生も少ないです。
■艶香の栽培のコツ
・栽培スケジュール
寒冷地では、露地夏秋栽培の他、雨除け栽培に適しています。
露地夏秋栽培の場合は、6月中旬~の定植を目指しましょう。
関東以西では、5月下旬~の定植、
九州地方などの暖地での栽培では、4月下旬~の定植を目指します。
低温を避けて、スムーズに生育させることが第一のポイントなので、
充分に暖かくなってからの栽培開始をおすすめします。
・一番果開花~収穫期までのポイント
主枝一番果着果節位は、7~10節目、主枝の節間が伸びて、
太くなったあたりが理想です。
側枝は、連続して着果するので、生育初期から丈夫に育てて、
草勢をつけ、果実の肥大に耐えられるようにします。
追肥は、一番果の開花期~下段の側枝の開花期までに、
数回ほど様子を見て行います。
・水やりのポイント
キュウリは水分が多いということでも知られています。
栽培においても、多くの水分を必要とするので、生長過程や、
収量に合わせて、潅水を行い、水切れにならないよう注意しましょう。
・真夏の栽培のポイント
生長点を多く確保し、維持することが上手にキュウリを栽培し、
収穫する大きなポイントとなります。
しかし、充分日光に当てることも重要となってきますので、
混みあっている部分の摘葉は随時行ってください。
・追肥のポイント
主枝摘芯頃から徐々に収量が増えていくので、
7~10日に1回程度、本格的に追肥を行っていきます。
キュウリ栽培において、水切れも収量を落とす原因になりますが、
肥料切れしないようにすることも、とても大切です。
・雌花の着生率
主枝の雌花率は、4月の種まき(暖地)で50パーセントほど、
5月の種まき(寒冷地)で同じく50パーセントほどになります。
1~2果成りが主体で、側枝の連続着果率の高い品種です。