ラリーノ半白
ラリーノ半白(はんぱく)は、神田育種農場の「ラリーノシリーズ」の新品種です。
新発売のラリーノは、半白タイプのミニキュウリと非常に珍しいです。
近年、ミニ野菜の人気からミニキュウリの品種も次々と発表・販売されていますが、
半白タイプのミニキュウリは、たいへん珍しいです。
ラリーノ半白の特徴と栽培のコツをご紹介します。
■ラリーノ半白の特徴
・半白キュウリとは?
半白キュウリの歴史は古く、江戸時代よりも前からあったと言われています。
キュウリの上から下にかけて、緑から白のグラデーションのようになることから、
「半白」と呼ばれています。
相模半白節成キュウリや馬込半白節成キュウリなどの品種がありますが、
大和野菜(奈良の伝統野菜)としても、有名なキュウリです。
使い勝手が良いので、サラダも楽々
・他のラリーノシリーズとの違い
ラリーノシリーズと同じく、うどんこ病やべと病に強く、
たくさんキュウリがなるので家庭菜園にもおすすめの品種です。
果実の長さはラリーノよりも短く、約5~6センチほどです。
スナック感覚で食べられるので、小さなお子様のいる家庭にもおすすめです。
ラリーノ半白は完全節成~房成性なので収量をあげるのにピッタリな品種です。
草姿がコンパクトなのは他のラリーノと同じで、ベランダ菜園にもおすすめの品種です。
半白キュウリは歯切れが良いので、お漬物やサラダ、
サンドウィッチの具材、ピクルスなどに適しています。
■ラリーノ半白の栽培のコツ
・栽培方法
栽培方法は、他のラリーノシリーズと同じです。
ハウス栽培、露地栽培、ハウス抑制栽培も可能で、家庭菜園はもちろんのこと、
直売所向けの栽培や営利目的の栽培にも向いている品種で、プロの方にも人気があります。
・収穫
ラリーノの収穫適期は果長9~10センチ、
果実の重さは40~50グラムほどでの収穫となりますが、
ラリーノ半白はそれよりも小さいミニキュウリです。
ラリーノよりも素早く収穫しなくてはならないので、とり遅れに注意が必要です。
生育も旺盛なので、早め早めの収穫を心がけましょう。
おおとみHG
おおとみHGは、神田育種農場 神田交配のF1品種です。
品質の良いキュウリかつ多収性のある品種なので、
プロの方にも人気があります。
全日本蔬菜原種審査会(現:全日本野菜品種審査会)
において、銀賞を受賞しています。
特徴と栽培のコツをご紹介しましょう。
■おおとみHGの特徴
キュウリは若干果実にシワがありますが、
おおとみHGの果実の皮は、
シワが目立たない滑らかなキュウリです。
形や長さの揃いも良く、
収穫の終わりまで秀品率の高いキュウリが収穫できます。
果実の長さは約22センチで、
100グラムほどの大きさで収穫します。
ツヤのある濃い緑色が特徴で、
真夏でもブルームが出にくく、とても綺麗です。
とくに露地栽培とハウス抑制栽培に適しています。
初期収量はやや少ないですが、
安定した収穫が続くので、総収量は他品種よりも多くなります。
■おおとみHGの栽培のコツ
・着果性
主枝の着果性は、飛び成り性・飛び節成り性なので、
側枝を主体とした品種です。
主枝の雌花には1つ、果実には2つほどの果実が着生します。
・肥料
元肥は、完熟堆肥や有機質肥料を入れ良く耕します。
10aあたり窒素35~45キロ、
リン酸30~35キロ、カリ35~40キロが理想です。
追肥は生育を見つつ与えます。
だいたい7日から10日に1回、窒素分を与えてください。
・病害虫の防除
生育前半に気を付けたいのは、アブラムシとうどんこ病です。
また、収穫期がはじまった頃からは過湿になりやすいので、
べと病にも気を付けてください。
防除のため、薬剤散布は早めに行い、
マルチングや敷きワラなども使っていくと良いです。
・仕立て方
神田育種農場のおおとみHGのカタログでは、
主枝の1本仕立てが勧められています。
子の場合、5節までの側枝と7節までの雌花は早めに摘み取り、
初期の生育を促します。
6節目以降の側枝は2節で摘芯し、整枝を行っていきます。
生育中期以降は半放任で栽培できますが、
混み合った部分の摘芯や摘葉はこまめに行い、
草勢が最後まで落ちないよう管理してください。
さつきみどり
さつきみどりは、さまざまな作物、
植物のタネ・苗を販売するサカタのタネの品種です。
サカタのタネでは、キュウリもいろいろな品種が出ていますが、
その中でもさつきみどりは家庭菜園向けとして人気があります。
その秘密は、味の良さです。
作りやすいことなども理由の1つですが、
とにかくさつきみどりの味や歯切れの良さは格別です。
おいしいキュウリを自宅でも栽培したいという方におすすめの品種です。
■さつきみどりの特徴
・病気に強い
病気に強い=家庭菜園では作りやすい品種と考えてもらうと良いです。
べと病、炭疽病、うどんこ病、つる枯病にも強く、
難しい薬剤の散布を減らすことができます。
・たくさん収穫できる
親づるに雌花がたくさんつきます。
子づるの発生はその分少なめですが、しっかり子づるにも果実がつくので、
収量は多く、とても安定します。
・サカタキッチンのすすめ
さつきみどりを販売するサカタのタネでは、
公式サイトの一部で「サカタキッチン」というレシピサイトを展開しています。
サカタのタネのキュウリの代表品種、
「フリーダム」を使ったレシピがほとんどですが、
さつきみどりでも代用は可能で、とてもおいしいレシピばかりです。
飾り四海巻きやデコちらし、デコそうめんなど、
見た目も楽しめるレシピも必見ですが、
豚しゃぶのわさび和え、大量のキュウリを消費できる、
キュウリ蒸しのレシピはとてもおすすめです。
インゲンにもさつきみどりがあり、色っぽい感じに実をつけます
■さつきみどりの栽培のコツ
・種まき
3号(9センチ)のポリポットに種を2~3粒まき、
本葉が1~2枚の時に1本に間引きます。
本葉3~4枚の若苗になるまでは育苗し、
それを植え付けるようにしましょう。
・土作り
種まきと並行して、土も準備しておく必要があります。
キュウリの根は浅く広がるので、
広範囲までしっかり肥料を効かせるのがポイントです。
土作りは、「おてがるキュウリ よしなり」に準じます。
・管理
親づるが170センチほどになったら摘芯し、
子づるに2~3枚ほど葉を残し、芯止めします。
・曲がり果・尻細果の原因は?
キュウリが曲がってしまう原因は、
水分不足、肥料不足、日照不足の3点です。
お尻が細くなってしまうのは、
高温による乾燥、肥料不足が原因です。
液体肥料や化成肥料、摘葉や水やりで、
1つ1つずつ原因をつぶし、形の良い果実になるよう努めましょう。
・灰色カビ病に注意
さつきみどりは病気に強い性質ですが、
灰色カビ病には耐性がありません。
灰色カビ病は、日光不足と風通しの悪さが原因となって起こる病気です。
草勢がましたら、葉と葉が重ならない程度に摘葉し、
充分に日光に当て、株の中の風通しを良くしましょう。
尚、病気になってしまった葉はすぐに摘み取るようにしてください。
また、黄色くなった葉など、老化した葉もすぐに摘み取ります。
・収穫
収穫適期は果実の長さが約23~24センチになった頃です。
収穫が遅れると株に負担がかかるので、
気持ち早めに収穫するのが理想です。
草勢が弱った時はその時だけ若どりし、追肥をして株の回復に努めましょう。
あおい節成地這
あおい節成地這は、株式会社神田育種農場 神田交配のキュウリの品種です。
神田育種農場といえば、ラリーノシリーズという、
ミニキュウリの品種がとても人気ですが、あおいシリーズも負けていません。
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シマキューリ
シマキューリは、奄美大島の白イボタイプのキュウリで、
とても太くずっしりとしていて、キュウリよりもウリに近い形をしています。
トキタ種苗より出ているこの品種は、サラダや浅漬けなどの生食の他、
炒め物などにも適していて、幅広く利用できます。
なかなかスーパーや直売所には並ばない珍しいキュウリの品種なので、とてもおすすめです。
■シマキューリの特徴
・キュウリの中でも特に大果になる品種
シマキューリ最大の特徴は、そのビックリするほどの大きい果実です。
果実の長さは約20~40センチと普通のサイズ~やや大きいくらいのサイズ感ですが、
果実の重さはなんと約800グラム~1,200グラムです。
1キロも超える大きなキュウリになることもあるビッグサイズのキュウリがシマキューリです。
・奄美大島生まれの島ウリ
奄美大島は、九州の南方海上にある鹿児島県の大きな島です。
奄美市、龍郷町、大和村、宇検村、瀬戸内町の5つの市町村からなる観光地の1つで、
海に遊びに訪れる方がたくさんいます。
「奄美料理」と呼ばれる郷土料理がたくさんあり、その食材として使われているのが、シマキューリです。
奄美大島では、島ウリ(しまうり)と呼ばれていて、
シマキューリのような大きなキュウリが普通に販売されています。
酢の物もおいしいです
・食べ方
島ウリ(シマキューリ)のレシピは、ネットで探すといくつかヒットします。
生食、漬物、炒め物、煮物、加熱調理にも適したキュウリなので、
使い勝手が良く、さまざまな料理に応用できます。
・購入方法
トキタ種苗店では、春の野菜苗として販売していますが、種子としても販売しています。
サラダにしても美味!
■シマキューリの栽培のコツ
・花粉つけを行う
単為結果性が少ないので、しっかりと着果しない場合は、花粉つけを行います。
・収穫
収穫の目安は、約700グラムです。
果肉はやや固めで、柔らかくなりにくいので、とり遅れの心配は少ないです。
しかし、株の負担は大きくなるので、少し小さめのサイズで収穫するように心がけましょう。