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キュウリを育てていると、まっすぐでキレイな実がとれることもあれば、
少し曲がった実が収穫できることもあります
多少形が悪くても、家庭で消費する分には特に問題ありませんし、
何より収穫できることの方が、嬉しいものです。
ところが、形が少し悪いというには、あまりにも形がおかしい実が育つことがあります。
ヘタに近い部分は細く、お尻の近くがやたらと太ったような形の実を、
尻太り果(先太り果)と呼びます。
キュウリに尻太り果が発生するのは、なぜなのでしょうか。
[キュウリ 尻太り果]
■主な症状
・先端が太くなる
尻太り果は、先太り果とも呼ばれている、生理障害の1つです。
症状といえば、ヘタ付近に比べると、極端にお尻(先端)部分が太っていることです。
ヘタに近い部分も、正常な実と比べると、細く曲がったようになることが多いです。
尻太り果(先太り果)となった実を切ってみると、大してぷっくりと膨れた尻部分は、
種がぎっしりと詰まっていることが多く、さらには果肉も不均等に厚くなります。
ヘタに近い細い部分にはほとんど種がなく、果肉も薄いです。
細い部分と太い部分の境目が、少しくびれたようになるものも多いです。
尻太り果(先太り果)
■主な原因
・草勢の低下
尻太り果(先太り果)のおもな原因は、草勢の低下です。
高温乾燥や肥料切れ、水切れなどによって、キュウリの草勢が落ちてくると、
発生が増えます。
草勢が少し弱ってきた程度であれば、曲がり果が発生する程度でおさまりますが、
さらに草勢が落ちてくると、尻太り果(先太り果)の発生も増えてきます。
草勢低下のおもな原因は、日照不足や肥料、
水が足りていない他、夜の気温が高いことや、成り疲れも原因になります。
日当たりの良い場所で育てていたとしても、
天候不順や葉が茂りすぎることによって、日照不足は起こります。
また肥料切れや水切れを頻発させると、
それほど多く実がついていなくても、成り疲れのような状態になります。
特に、キュウリは夏野菜の中でも、水分要求量が多いため、
水切れには要注意です。
水切れを起こすと、肥料を与えていても肥効がうまく出ず、
肥料切れも併発する可能性も出てくるので、
土の状態や株の状態を見ながらの潅水が必要になります。
・受精不良
尻太り果(先太り果)になる原因の1つが、受精不良です。
先端に近い部分のみが受精し、ヘタに近い部分の受精がうまくできないことによって、
先端にだけ種が発生して肥大します。
ヘタに近い部分は受精できていないため、種ができずに太らず、細いままになります。
受精不良の原因も、けっきょくのところは草勢低下によることが多いので、
草勢が極端に低下しないような工夫が必要です。
■対策
・適切な管理
キュウリが育ちやすいよう、適切な管理をすることが大切です。
栽培には日当たりと風通しの良い場所を選びます。
ツルが伸びて子ヅルや孫ヅルが繁茂してきた時には、
ツルの整理と邪魔な葉を適用し、採光と風通しの良い状態を維持します。
生育スピードが速くなってくる頃には、ツルの伸びだけでなく、
着果数も増えてきます。
そのような状態で、水切れや肥料切れを起こせば、
当然草勢が落ちて不調が出てきます。
特にキュウリは、水を多く必要とする野菜です。
土が乾きすぎないよう、潅水の頻度や量を調整しましょう。
また、適度な葉水も、健全な株の生育に効果的です。
栽培のための環境や管理を整えれば、株が健全に育つとともに、
草勢も落ちにくくなり、結果として尻太り果(先太り果)などの発生も減り、
収量が上がります。
栽培後半になると、どうしてもスタミナ切れによって草勢が落ちやすくなります。
曲がり果などの発生が増えてきたら、早めに手入れを見直し、
草勢の回復に努めましょう。
■判断基準
尻太り果(先太り果)は、食べられないこともありませんが、
正常な実に比べると、食味が悪くなりやすいです。
おいしい良い実を長く収穫するためにも、栽培環境を整え、
手入れを怠らないようにしましょう。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方