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ネコブセンチュウに侵された根
キュウリ栽培で問題になるのは、
葉が枯れたりツルが割れたりする病気ばかりではありません。
キュウリにつく害虫も、キュウリの健全な生育を脅かす存在です。
中でもネコブセンチュウは、地下の根に被害を出すため、
被害が出ていることに気付けないままに、キュウリの調子が悪くなり、
最悪には枯死することもあります。
キュウリにつきやすいネコブセンチュウとは、どのような害虫なのでしょうか。
[キュウリ ネコブセンチュウ]
■ネコブセンチュウの特徴
ネコブセンチュウが寄生するのは、植物の根です。
キュウリに寄生する場合も、同じく根に寄生するため、
寄生して間もないうちは地上部に症状が出ず、
被害が出ていることに気付けないことがほとんどです。
ネコブセンチュウに寄生された根は、コブのように膨れあがります。
寄生する数が多くなると、それだけコブの数も増え、生育が悪くなります。
育苗中にネコブセンチュウの被害にあうと、生育が著しく悪くなるため、
定植までたどり着けず終わることがあります。
定植後の株であっても、寄生数が多くなれば、それだけ生育が悪くなります。
コブのような症状が出るのは、地下の根の部分だけですが、
根にコブができることによって、根がうまく機能しなくなるため、
ひどくなると地上部にも症状が出ます。
養水分をうまく吸収できなくなったキュウリは、葉が黄変し、落葉していきます。
着果不良や生育不良を起こし、
しだいに株全体に元気がなくなり、ついには枯死します。
また、ネコブセンチュウが根に寄生すると、
そこから病気の菌が入り込みやすく、つる割病などにかかる可能性も高くなります。
■ネコブセンチュウの伝染経路や伝染源
ネコブセンチュウは、どこから入ってくるか分かりません。
地上部で被害が出る害虫のように、飛来してくることはありませんが、
土の中に潜んでいるため、気付かないうちに取り込んでしまうことがあるのです。
最初はまっさらなキレイな土であっても、苗の土にネコブセンチュウがいれば、
植え付けをした時に周りの土に広がります。
最初は軽い被害だけでも、年々被害が拡大していきます。
ネコブセンチュウは、卵の状態で越冬しますが、気温が高ければ冬の間も繁殖します。
そのため、ハウス栽培などでは、冬の間も被害が出やすくなります。
■ネコブセンチュウの予防対策
まだネコブセンチュウの被害が出たことのない場所では、
持ち込まないようにすることが、最大の予防策です。
持ち込むことさえなければ、ネコブセンチュウが自然発生することはありません。
栽培する植物の苗や、土作りに使うための資材など、
ネコブセンチュウが紛れていないか注意しながら利用する必要があります。
また、ネコブセンチュウが発生しているかどうか分からない場合は、
土壌消毒を定期的に行っておくことで、予防と対策になります。
太陽光や熱湯を使った熱消毒、薬剤を使った消毒など、
土壌消毒によって、卵や成虫の数を減らします。
■ネコブセンチュウの被害にあったら
もしネコブセンチュウの被害を確認したら、予防対策と同じように、
土壌消毒を行いましょう。
被害が出てからは、100％全滅させることは難しいですが、
数を減らすことで被害が出にくくなります。
土壌消毒の他にも、マリーゴールドなどのセンチュウ対抗植物を植えると、
植物から発せられる成分によって、センチュウ類の数が減ります。
また、栽培期間外にソルガムやギニアグラスなど、
センチュウ類の密度抑制の効果が期待できる植物を育てることで、
数を減らすことができます。
さらに、連作をすることでも、ネコブセンチュウの被害が出やすくなります。
もともとキュウリは連作に弱い野菜です。
それを避けるために接ぎ木苗を育てたとしても、
絶対に連作障害が起こらないというわけではありません。
できれば、うまく栽培場所を変えながら、輪作していくことが理想です。
ネコブセンチュウを軽減するためには、土壌消毒だけでは足りない場合があります。
対抗できる植物を栽培したり、複数の方法を組み合わせると、軽減しやすくなります。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方
