キュウリ栽培をしていると、なかなか実がならないことがあります
野菜類に実がつかないのは、受粉不良と考えがちですが、
キュウリの場合はその可能性はありません。
キュウリには雄花と雌花がありますが、
受粉しなくても実をつける、「単為結果」という性質を持っています。
キュウリの実がならない理由は、受粉不良以外に原因があるので、
その原因を探り、対処すると実りが良くなります。
[キュウリ 実がならない]
■雌花が咲かない
キュウリには雄花と雌花が咲き、受粉は必要ないのですが、
花が実になるのは、雌花だけです。
花の後方に、画像のような小さなキュウリ型の膨らみがあるのが雌花です。
また、雌花だけが咲かない状態なのか、どちらも咲かないのとでは、
実がならない原因も違ってきます。
・花が咲かない
雄花も雌花も咲かない場合、原因がいくつか考えられます。
第一は、株が充実していないということです。
また植えて間もない苗は、根付かず、環境が変わりストレスを受けています。
環境に慣れて生育を始めるまで、少し時間がかかるので待ちましょう。
つるや葉はずいぶん生長しているのに、花だけが咲かない場合は、
肥料が原因であることが多いです。
キュウリは2週間に1回の化成肥料か、1週間に1回の液体肥料で育てますが、
与える肥料を間違えると、花が咲かないことがあります。
肥料の中には、窒素・リン酸・カリが含まれています。
肥料の種類やメーカーによって、含まれている量が違います。
窒素が多い肥料を与えていると、つるや葉ばかりが茂ってしまいます。
この状態を「つるボケ」と呼びます。
つるボケを起こしたキュウリは、なかなか正常な状態に戻れず、
そのまま実をつけずシーズンが終わることも少なくありません。
肥料は窒素・リン酸・カリが同じだけ含まれているものか、
リン酸が少し多めのものを選びましょう。
・雄花ばかり咲く
花が咲くけれど、その花が雄花ばかりで、
大切なの雌花が咲かないということもあります。
雄花ばかりであっても、花は咲いているので肥料の問題ではありません。
雄花ばかりが咲く原因としては、
株がつるを伸ばすのに力を入れているということが考えられます。
支柱のてっぺんにつるが届いたら、摘芯をしましょう。
摘芯をすることで、雌花が発生しやすくなると言われています。
■実が小さいうちに落ちる
雄花も雌花も咲くけれど、実が大きくならずに落ちてしまうことがあります。
この場合、基本的には環境による影響が原因であることが多いです。
・日照不足
特に日照不足になると起きやすい現象です。
日当たりの良い場所で育てていても、曇りや雨など、
天気の悪い日が続くと、それだけでも日照不足になります。
また、ベランダや庭などで育てていると、
株がある程度大きくなるまでは、光が十分に当たらないことがあります。
最初は問題なかったのに、途中から様子がおかしくなった場合には、
キュウリの葉と葉が重なって、日陰を作っている場合もあります。
キュウリの葉は大きく、つる同士が絡んだりすると、葉と葉も重なりやすくなります。
陰になった部分は日照不足となり、実は小さいまま黄色くなり、落ちやすいです。
つるの整理や摘葉をして、日陰を作らないように工夫しましょう。
株が若く充実していないと、実が落ちることがあります
・株がまだ若い
また、株が若く充実していない場合にも、小さいうちに実が落ちます。
実を大きく育てるほどの力がない株についた実は、
どうしても小さいまま落ちることになります。
栽培初期であれば、まだまだこれからと自分に言い聞かせて、
小さい実をいつまでも置いておかずに摘むほうが後の生育が良くなります。
ある程度株が充実すれば、自然に実も育つようになります。
基本的にキュウリは単為結果の性質を持っていますが、
品種などによっては、その性質が弱い場合があります。
いろいろ工夫したが、どうしても実がならないという場合、
一回、人工受粉をしてみましょう。
もし人工受粉をして実がなったということであれば、
受粉が必要な性質の株であるということが分かります。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 苗の選び方