ホーム » キュウリ 病害虫 生理障害 » キュウリ 銅欠乏
キュウリを健全に育てるためには、様々な要素が必要となります。
栽培に適した環境はもちろん、栽培中に必要な管理をさぼらず行うこと、
生育に必要な水や肥料をきちんと与えることも、欠かせません。
生育に必要なものが足りていなければ、やはり生育不良などの不調が起こります。
栽培中の銅が不足すると、銅欠乏と呼ばれる生理障害になります。
キュウリが銅欠乏になると、どのような状態になるのでしょうか。
[キュウリ 銅欠乏]
■主な症状
・葉の異変
銅欠乏になると、葉に症状があらわれます。
症状は中位葉から出ることが多く、症状の種類によっては、
上位や下位に広がって出ることも少なくありません。
銅欠乏の分かりやすい症状の1つに、葉の下垂があります。
葉全体が垂れ下がるというよりは、
葉の縁が下向きに丸みを帯びて垂れ下がるような状態なので、
一般的な水切れの時のしおれとは異なります。
葉が下垂する時は、水切れの時とは違い、
葉全体というよりも、縁のみの下垂です。
見慣れないうちは、銅欠乏かどうかの判断が難しいですが、
土が乾いていないにも関わらず、葉の縁の下垂がみられるのであれば、
銅欠乏の可能性が高いです。
葉の下垂の場合は、中位~上位に起こることが多いのが特徴です。
もう1つの分かりやすい症状として、葉の黄化があります。
葉の黄化は、他の生理障害でも起こる症状ですが、それぞれに特徴があります。
銅欠乏の場合は、2種類の黄化が起こります。
1つは、葉の葉脈の中でも、主脈と呼ばれる太い筋が濃い緑色を残し、
他の部分が退色する症状です。
残った主脈は、細い筋ではなく、筋から横にぼんやりと緑が広がる、
幅広の線が残るのが特徴的です。
もう1つが、葉脈間が斑状に黄変する症状です。
どちらの場合も、上位~中位の葉だけでなく、
下位の葉にも症状が出ることがあります。
・新芽が展開しない
上位から下位の葉まで、葉の下垂や黄変などの症状が出ますが、
新芽の部分にも特徴的な症状が出ます。
新芽に症状が出た場合、他の葉と同じような下垂が見られます。
ただ、葉が小さい分、下垂の程度が強く出やすく、
葉の縁が完全に丸まるような状態になることもあります。
症状が出た新葉は、展開がうまくできず、小さいままであることが多いです。
また、下向きに巻いた葉縁が、枯死して変色することもあります。
■主な原因
・自然水の利用
水道水には、銅がある程度含まれているため、
栽培時に使う水が水道水の場合は、症状が出ることはほぼありません。
ただ、川の水や地下水を利用している場合、
その水が極端に銅の含有量が少なければ、銅欠乏の可能性が高くなります。
また、もともとその土地が銅の含有量の少ない土地である可能性もあります。
いずれにせよ、銅欠乏の症状が毎回出る場合は、
一度土壌診断をした方が良いでしょう。
■対策
・葉面散布
銅欠乏の症状が出たら、銅を与えるのが効果的です。
葉面散布による補給でも、比較的改善が早く見られるので、お勧めです。
硫酸銅0.1%液に、同量の消石灰を加えたものを散布します。
消石灰を加えずに散布すると、今度は銅が多く吸収されてしまい、過剰症状が出ます。
■判断基準
一般的には、あまり出ない生理障害です。
もし出たとしても、葉面散布などによって、比較的簡単に改善できます。
症状を見逃さないよう、見回り時には注意します。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方