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キュウリ 曲がり果
キュウリは比較的育てやすく、家庭菜園でも人気があります。
うまく育てれば、1株でも意外とたくさんの実を収穫できますし、
生育ピーク時には、毎日実がとれることもあります。
そんなキュウリですが、実が収穫できるものの、
なぜか曲がってしまうという経験はありませんか?
キュウリの実は曲がっていても食べられますが、
できればまっすぐきれいな状態のものを収穫したいものです。
曲がった実は曲がり果と呼ばれますが、キュウリの曲がり果はなぜ起こるのでしょうか。
[キュウリ 曲がり果]
■主な症状
・実が曲がる
曲がり果の症状は、実が曲がるというそのものの症状です。
曲がりの程度は、原因や状態によって変わり、軽くカーブする程度のものから、
くるっと巻いてしまうものまであります。
実が曲がっているからといって、特別食味が悪くなるわけではないため、
食べることはできます。
■主な原因
・物理的要因
曲がり果が発生する原因として多いのが、物理的な要因です。
ツルを誘引するためのネットや支柱、キュウリ自身のツル、すぐ近くについた実など、
これから成長しようとしている実を圧迫するものがあると、まっすぐに伸びません。
キュウリは、雌花の花弁のすぐ下に、子房と呼ばれる部分があります。
花が終わった後、この子房の部分が生長していくのですが、最初はまっすぐな子房も、
肥大する時に邪魔になるものがあれば、それがつっかえになって曲がります。
・花芽形成時の不調
雌花がついた時、すでに子房部分が曲がっていることがあります。
曲がった子房はまっすぐに伸びることなく、曲がったままの状態で生長します。
これは、花芽が形成される時点で、すでに何か不調が起こっていることが原因です。
花芽形成時、日照不足や低温などによって、うまく形成できないことがあります。
それがそのまま生長し、実際に花芽となって出てくると、
子房が曲がった状態になることがあるのです。
花芽形成時の不調が起こると、必ず実が曲がるわけではありませんが、
発生は増えます。
・草勢低下
最初はまっすぐだったキュウリが、肥大につれ徐々に曲がってきたのであれば、
草勢が落ちている可能性が高いです。
キュウリは、一度実をつけ始めると、次々と雌花を咲かせて実をつけます。
そのため、着果が始まった後に水や肥料を切らしたり、
日照不足などに陥ると、草勢が落ちてしまいます。
病気の兆候が見える、邪魔な葉を整理するなどの理由で適用することがあります。
この時、一度にたくさんの葉を摘むと、
キュウリがストレスを受けて草勢が一時的に落ちることもあります。
草勢が落ちれば、着果した実の肥大も悪くなり、実も曲がりやすくなります。
■対策
・障害物を避ける
雌花がついているのを見つけたら、障害物が周りにないかをチェックしましょう。
最初は問題なくても、実が大きくなってくるとネットなどにひっかかることが増えるので、
こまめに見回りをし、障害物をできるだけ避けるようにします。
・草勢の維持
キュウリは、最初の収穫が始まる頃から、徐々に生育スピードが上がり、
次々と実をつけるようになります。
この頃から、水切れや肥料切れにならないよう、注意しましょう。
キュウリは、実に水分をたくさん含んでいるということもあり、
トマトなどに比べると水分を欲しがる量が多いです。
気温が高くなると、葉から蒸散する量も増えるので、土が乾燥しすぎないようにします。
また、肥料も欠かさず与えましょう。
液体肥料を1週間に1回を目安の与えるのがお勧めですが、
粒状などの固形肥料でも構いません。
粒状肥料などは、肥効が長く続くものが多いので、
2週間~3週間間隔を目安に与えます。
肥料を与えていても、肥料切れのサインが出る場合は、
肥料の量を増やすか、頻度を増やして様子を見ます。
・温度管理
健全な花芽形成には、適温と日照です。
苗を植え付けてすぐの頃は、まだ気温が安定していないことも多いです。
また、梅雨に入ると、雨や曇りの日が増え、気温の低下や日照不足になりやすいので、
できるだけ日当たりの良い場所を確保し、必要であれば保温もしましょう。
・実の矯正
すでに曲がってしまった実も、矯正によってある程度はまっすぐにできます。
実の先端に針金などを使っておもりを下げたり、
キュウリ専用の矯正クリップを使うといった方法があります。
ただ、矯正することで他に影響がないともいえません。
家庭菜園で楽しむ程度であれば、曲がっていても価値がなくなるわけではないので、
無理な矯正はあまりお勧めしません。
■判断基準
せっかく育てていたキュウリが曲がってしまうと、少し残念な気持ちになります。
家庭菜園といえども、できるだけきれいな実を収穫したいということであれば、
まずは原因を究明しましょう。
曲がったキュウリを戻すのは難しいですが、栽培環境や管理法を早めに見直すことで、
その後に着果した実はまっすぐに育つようになります。
また、曲がったキュウリも食べられないわけではないので、
あまり気落ちしないことも大切です。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方