京しずく
京しずくは、主に近畿地方で栽培されている、
ハウス抑制用のキュウリの品種で、タキイ種苗店より出ています。
タキイ種苗店には、キュウリの交配種がいくつもありますが、
京しずくは、極早生種に属し、多くのキュウリを収穫することができます。
特徴と育て方のコツをご紹介します。
[京しずく]
■京しずくの特徴
・晩夏から冬まで収穫できる
キュウリは、収穫が遅くても夏秋キュウリと秋の収穫が最後ですが、
ハウス抑制栽培用の京しずくは、12月の上旬頃まで収穫できるキュウリです。
*ハウス抑制栽培とは?
ハウス抑制栽培とは、露地栽培よりも生長を緩やかにし、
本来は収穫できない時期に収穫を実現させる栽培方法のことです。
キュウリの他、トマトやナスなど、夏野菜に主に使われる栽培方法で、
この方法で、年間を通して夏野菜が食べられるようになっています。
7月の中旬過ぎに種まきを行った場合、8月の上旬に定植させ、
そこからハウス栽培とし、9月~11月上旬まで収穫できます。
8月の上旬に種まきを行った場合、9月頭に定植させ、
そこから同じようにハウス栽培すれば、
9月下旬~12月上旬まで収穫することができます。
・褐斑病にとても強い
キュウリは、茎葉に淡い褐色の斑点が生じる褐斑病になりやすい作物ですが、
京しずくは、市販種の中で最強ともいわれるくらい、褐斑病に強い品種です。
発生する前に、2~3回予防散布を行えば、ほとんど褐斑病にかかりません。
・生育が良く育てやすい
夏に栽培を開始する品種ですが、高温下でも着果が良く、
開花した雌花のロスが少ないのが特徴です。
草勢も強く、栽培後期までしっかりと側枝を発生してくれます。
・秀品率が高い
京しずくの収穫適期サイズは、約21~22センチです。
日焼け果や、尻細り、クサビ果などの発生が少なく、
形の良いキュウリを収穫することができます。
また、皮が柔らかく、とても美味しいキュウリなので市場性も高く、
プロ農家の出荷にもおすすめです。
■京しずくの栽培のコツ
・育苗と定植
種まきの後は、約20~25日間しっかりと育苗し、
本葉が1.5枚~2枚の頃に定植させます。
この時使用する台木は、側枝発生の安定化を求め、強勢の台木を用います。
・追肥
京しずくは極早生種に属し、勢いを止めずに管理するのが大切です。
追肥は、一番果が着果する頃を目安に、
10アールあたり窒素成分を1キロ、1週間ごとに与えます。
・整枝
子づる、孫づるは、1葉摘心して、
ひ孫づるは、葉が混み合わない程度に半放任で管理します。
キュウリの味をそのまま食すもろきゅうが美味しいです
・摘葉
葉が混み合いすぎると、果実の色が薄くなってしまうので、
古い葉を中心に、適宜摘み取るようにしてください。
・病害虫の防除
褐斑病には強い京しずくですが、うどんこ病や、
べと病に注意する必要があります。
病気に弱い品種ではないので、
初期からしっかりと予防散布を行い、防除してください。
・収穫
キュウリの果実は肥大が早いので、1日収穫がとり遅れるだけで、
3~5センチほど伸びてしまうこともあります。
とり遅れないよう、毎日チェックするようにしてください。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方