グランツ
グランツは、キュウリのハウス栽培専用の品種でときわ研究場より出ています。
グランツの魅力は、なんといっても、安定した栽培が出来るところです。
暑さに強く、気温によって果形が乱れることが少ないので、
秀品が多く、品質の安定につながります。
また、栽培期間を通して適度な着果性が安定して続くので、
波が少なく、コンスタントに収量を得られます。
安定感抜群のグランツについて、
特徴と栽培のコツをさらに深く紹介していきます。
[グランツ]
■グランツの特徴
・果実
果実の大きさは、約21センチで果形の安定が魅力的です。
尻細果や尻太果といった奇形果の発生はとても少なく、
きれいな円筒形をしたキュウリが次々にとれます。
一般的に作物は収穫もおわりに近づくと秀品率がおちるものですが、
グランツの場合は、収穫期を通してツヤがあり、色もハッキリした、
色・形の良いキュウリがとれます。
・草姿
葉は濃い緑色で、やや肉厚ですが、サイズは小さくしっかりしています。
葉柄が立ち、枝の節間は間延びしにくい性質です。
全体的にガッチリと丈夫な草姿に育つので、生育後半になっても、
草勢がバテにくく、結果、収量の安定につながります。
・収量性
果実の肥大がとても良く、程良い着果性のある品種です。
なり疲れを起こさない程度に着果がみられるので、収量の波は少なく、
コンスタントに収穫ができます。
また、暑さに強いのも魅力的です。
日本の夏は暑く、高温によって株がやられてしまうことも少なくありません。
しかし、グランツの場合は高温条件下においても、果実の品質はおちにくく、
果揃いの良い美味しいキュウリをたくさんとることができます。
■グランツの栽培のコツ
・適作型
ハウス栽培専用の品種のため、露地栽培には適しません。
・種まきの適期
種まきは、12月~4月まき、または、7月~10月まきが適しています。
時期に応じて加温が必要になることもありますが、無加温でも栽培可能です。
・雌花着生
主枝の雌花率は9月まきの場合で、30~40パーセントほどです。
どの時期に栽培をスタートしても側枝の連続性は高く、
1節に1~2個ずつ果実がなる性質をもっています。
・肥料
コンスタントに着果するので、栽培期間を通して見ると収量は多い品種です。
そのため、しっかりと元肥を入れて肥料切れを防ぎます。
また、途中でしっかりと追肥を行うことも忘れないようにしましょう。
・水やり
キュウリは食べてみると分かりますが、とても水分量の多い野菜です。
水切れを起こすと生育にも影響が出て、食味を損なうことにつながります。
過湿には気をつけなくてはいけませんが、水やりもしっかりと行い、
乾燥した環境にならないように注意してください。
・整枝
子枝は1~2節目で摘芯をして、孫枝とひ孫枝については半放任で栽培します。
・つる下げ栽培について
グランツは、ハウス内でのつる下げ栽培にも適した品種です。
つる下げ栽培にする場合は、ハウス内の高温多湿に気をつけましょう。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方