キュウリを栽培する時、いつでも良い状態で育つとは限りません。
家庭菜園ではもちろん、プロの農家であっても、不調が出ることはあります。
不調の原因は、病害虫であることも多いですが、
意外と多いのが栄養不足による生理障害です。
中でも、マンガン欠乏になると、キュウリにはどのような症状が出るのでしょうか。
[キュウリ マンガン欠乏]
■主な症状
・葉の湾曲と黄斑点
キュウリがマンガン欠乏になると、まず葉に異変が出ます。
正常なキュウリの葉は、全体的にピンと張っていますが、
マンガン欠乏の状態になると、葉の縁が下向きに垂れ下がります。
水切れを起こした時なども、葉のしおれ症状は見られますが、
水切れの場合は葉全体がしおれたようになります。
マンガン欠乏の場合は、水切れでもないのに、
葉の縁が下向きにふわりと湾曲します。
また、葉縁の湾曲のほかに、黄変も見られます。
生理障害の中には、葉の黄変が見られるものが多いですが、
マンガン欠乏の場合は、葉の縁や葉脈間が黄化します。
黄化の仕方としては、葉全体というよりも、黄色の斑点が出るのが特徴です。
症状が進むと、黄化した部分は枯死していきます。
これらの症状は、上位の葉から出やすく、症状がひどくなるにつれ、
中位や下位の葉にも症状が出るようになります。
■主な原因
・与えている堆肥の種類
栽培前の土作りの際などに、堆肥を土に混ぜ込みます。
この時に使う堆肥の種類は、人によって異なります。
家庭菜園であれば、ホームセンターなどで安価に入手できる、
牛糞堆肥などを使うことが多いでしょう。
堆肥には、牛糞堆肥のほかにも、木を砕いて作ったバーク堆肥や、
ワラから作った堆肥、もみ殻から作ったもみ殻堆肥などがあります。
実は、堆肥の原料となったものによって、堆肥に含まれている栄養素が変わります。
堆肥の中でも、ワラから作った堆肥であれば、
比較的マンガンの含有量が高いのですが、一般的によく使われる、
牛糞などの家畜堆肥やバーク堆肥には、マンガンが少ないです。
マンガンの含有量が少ない堆肥ばかりを施用していると、
土の中のマンガンが補給されず、欠乏となります。
さらに、マンガン含有量の少ない堆肥を使うと、
不思議な事にマンガンの吸収率も悪くなります。
なぜ吸収率が悪くなるのかは、現在はまだ判明していません。
■対策
・土壌診断
マンガンだけでなく、栽培に使っている土に、
どれくらいの栄養が含まれているのかを知るためには、土壌診断が必要となります。
専門機関への依頼が必要になることも多いため、大げさなように感じますが、
色々と注意しているにも関わらず不調が続くのであれば、
一度診断しておくのもお勧めです。
・葉面散布
マンガン欠乏の症状がすでに出ている場合は、葉面散布による補給が効果的です。
硫酸マンガン0.2%~0.5%液を葉面散布します。
また、マンガンを含む肥料を、土に施用するのも効果があります。
■判断基準
マンガン欠乏は、葉の縁が下に湾曲する症状が出ます。
それがマンガン欠乏の症状だとわかってしまえば、見てすぐに分かる症状です。
けれど、見慣れないうちは、ただの水切れとの見分けがつかず、
発見が遅れることがあります。
水切れのような症状が出ているのに、水を与えても改善しない場合は、
他の原因が考えられるので、できるだけ早く原因を調べましょう。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方