キュウリの雌花
キュウリは、1つの花に雌しべと雄しべが両方ついているのではなく、
雌花と雄花とに分かれて咲くタイプの植物です。
この雌花と雄花が別々に咲くタイプの植物は、
両方が一度に咲かないと受粉できないことが多いです。
では、キュウリ栽培で雌花ばかり咲くというのは、どうしてなのでしょうか。
[キュウリ 雌花ばかり]
■キュウリ 雌花ばかり
雌花ばかりだと不安になりますが……
キュウリは、雌花と雄花が別々に咲く植物なので、雌花ばかりが咲くと、
受粉できずに実がつかない、と心配になります。
けれど、キュウリの場合は問題ありません。
というのも、キュウリには「単為結果」と呼ばれる性質があるためです。
単為結果とは、受粉なしでも着果ができる性質のことです。
つまり、キュウリは雌花ばかりがついたとしても、
単為結果の性質によって、着果可能なケースがほとんどです。
キュウリの単為結果できる性質を利用して、
各節に雌花がつきやすいように改良された品種が多数あります。
そのためか、雄花よりも雌花の方がつきやすいものが多く、
中には雌花ばかりがついて、
雄花がつかない株に育ちやすいものもあります。
着果した実から種をとりたい場合は、受粉が必要となります。
単為結果で着果した実は、受粉していないため、種ができないからです。
実を切った時には、小さな種の赤ん坊が見えることがありますが、
実が熟して黄色くなるまで置いていても、この種が熟すことはありません。
固定種などで種をとりたい場合は、雄花の存在が重要となります。
雌花だけでも、良い実がなります
■キュウリ 雄花ばかり
キュウリ栽培では、雌花ばかりがついても問題にならないことが多いですが、
雄花ばかりがついて雌花がつかない方が問題です。
キュウリの場合、雌花だけでも実はつきますが、
雄花だけが咲いても実がつかないためです。
ただ、栽培前半は、雄花ばかりが咲くことがよくあります。
雄花ばかりが咲くのは、まだ株が十分に生長していないので、
花や実をつける生殖生長に傾いていないため、と言われています。
株が生長して大きくなれば、雌花がつくようになります。
また、いつまでも茎葉を大きくする栄養生長ばかり続いている株は、
摘心をすることで、生殖生長に体力を使わせる、という方法もあります。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方