温室のキュウリたち
キュウリは、年中スーパーに並んでいる野菜です。
旬は夏ですが、日本では農家の努力によって、
旬ではない時期にもキュウリが店頭に並びます。
寒い時期に必要な設備として、ハウスがあります。
冬など、気温の低い時期に出回っているキュウリは、
ハウス栽培されているものが多いです。
ハウス栽培をすることで、外気が低くても暖房を使って加温して栽培できます。
けれど、ハウス栽培を加温しながら行うことで、不具合が起こることもあります。
その1つが、温風障害です。
キュウリのハウス栽培で出る温風障害とは、どのようなものなのでしょうか。
[キュウリ 温風障害]
■主な症状
・上位葉の黄化と白化
温風障害の場合、葉に黄化や白化といった症状が出ます。
ガスは空中にたまりやすいため、症状は上位の葉から出ることが多いです。
アンモニアガス障害や亜硝酸ガス障害などでも、
葉の黄化や白化の症状が出ます。
温風障害の場合、葉の中心から出ることが多く、
しかも黄化や白化の範囲がそれほど広くないのが特徴です。
環境やその時の状態によっては、葉の縁にも黄化や白化の症状が見られ、
場合によっては葉の縁と中心の両方の色が抜けます。
■主な原因
・不完全燃焼
温風障害が出る原因は、
ハウスの加温設備の不完全燃焼による、ガスの発生です。
それほど寒くない時期であれば、ハウスで防寒するだけの場合もありますが、
本格的な寒さになってくると、加温が欠かせません。
加温を始めた後から、温風障害の症状である黄化や白化が見られるようになってきたら、
温風障害の可能性が高いです。
ハウスの加温設備を使う時は、キュウリの状態に注意します
■対策
・不完全燃焼のチェック
ハウスの加温設備を使う時は、
必ず不完全燃焼になっていないかを、定期的に調べます。
温風を流すための扇風機の羽にススがついている場合は、
不完全燃焼になっている可能性が高いです。
また、燃焼中に出る煙の色にも注意します。
きちんと燃焼できている煙は、ほぼ色がないか、真っ白に近い色が出ます。
黒っぽい色が出ている時は、要注意です。
■判断基準
家庭菜園では、加温してハウスで栽培することは稀です。
けれど、冬にキュウリを出荷するために、農家では欠かせない施設となっています。
設備に不具合が出れば、それだけ作物に影響が出るので、定期的にチェックして、
できるだけ早期に不具合を見つけ、対処しましょう。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方