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キュウリを食べる時、あまり種が気になることはありません、
けれど、栽培するためには種が必要です
家庭菜園でキュウリ栽培している方の多くは、苗を購入して栽培していますが、
中には種から育てているという方もいます。
育てているキュウリから種を採取しようと思う方もいるようですが、
キュウリから種を採取することはできるのでしょうか。
[キュウリ 種 採取]
■キュウリ 種 採取の目的
キュウリから種を採取すれば、その種を使ってまたキュウリを栽培できます。
そうやって何代もかけて種を引き継いで育てることで、
栽培環境にキュウリ自身が合わせてくれます。
また、種の採取に成功すれば、
次に栽培する時に種や苗を購入する手間や費用がかかりません。
もちろん、種から育てる手間はかかりますが、それもまた楽しみの1つです。
■キュウリ 種 採取の方法
キュウリを食べる時、種が気になることはあまりありません。
同じウリ科の植物の中には、スイカやゴーヤのように、
種がとても硬く、取り除かなければ食べるのが難しいものもあります。
それらに比べると、キュウリは種を意識することが少ないです。
キュウリの種を採取するには、どうすれば良いのでしょうか。
1. 受粉させる
キュウリは単為結果と呼ばれる性質が強い植物です。
単為結果とは、受粉せずに実が肥大する性質のことです。
受粉せずに育った実は、肥大はするものの種ができません。
単為結果で着果して育ったキュウリは、種ができないため、
食べる時に種が気にならないことが多いのです。
けれど、種を採取するためには、受粉が必要不可欠です。
実を収穫するだけなら雄花は不要ですが、受粉させるためには、
雄花と雌花の両方が開花していないと意味がありません。
種を採取する予定の雌花が開花したら、
同日に開花して花粉を出している雄花を使って、人工受粉させましょう。
雄花を摘んで花弁を取り除き、雄しべを直接雌しべに触れさせることで、
人工受粉ができます。
1つの雌花だけで受粉させるのが不安な場合は、
複数の雌花に人工受粉しておくと良いでしょう。
また、受粉させる時は、あまり強く雄花を押し付けないようにします。
雌しべが傷ついてしまうと、うまく着果できないことがあります。
表皮が黄色くなるまで待ったら、収穫し1~2週間追熟します
2. 実を完熟させる
キュウリは若どりが基本の野菜ですが、種を採取するのであれば、
熟すまでつるにつけたままにしておきます。
キュウリは緑色をしているのが普通ですが、
熟してくると表皮が黄色っぽい色に変化します。
収穫適期をとうに過ぎ、普段見るキュウリの何倍もの太さになったキュウリは、
とても迫力があります。
表皮が黄色くなるまで待ったら、収穫します。
そこからさらに1週間~2週間ほど追熟させると、種がしっかりと熟すので、
良い種が採種しやすくなります。
種は輪切りにすると、このように並んでいます
上段部分のように切り、スプーンで種をすくいとります、下段は失敗!
3. 実の中から種をとる
実がしっかりと熟したら、いよいよ種の採取です。
実の中心に沿って種が入っているので、中心から少しずらした場所を、縦に切ります。
種が露出した状態になったら、
スプーンなどで種の部分を周りのゼリー質部分と一緒にくりぬきます。
この時、スプーンで種を傷つけないよう、注意しましょう。
4. 種を洗う
種を取り出したら、次は種をキレイに洗います。
ザルとボウルなどを使って、種の周りについているゼリー質の部分を取り除きます。
この時も、種を傷めないように注意します。
洗っているうちに浮いてくる種は、見た目は立派に見えても、
中身がスカスカになっている場合がほとんどです。
こういった種は、播いてもうまく発芽しなかったり、
発芽してもうまく育たないことがあるので、取り除いておきます。
ゼリー質を取り除いた種は、布巾やキッチンペーパーの上に並べましょう。
5. 種を乾かす
種がキレイになったら、キッチンペーパーなどで表面を軽く押さえて、
水気をふき取ります。
その後は、1週間~2週間ほどかけて陰干しし、しっかりと乾燥させます。
種の状態によっては、中の水分がなかなか抜けず、
湿気やすくなっている場合があります。
水分が残った状態で保存すると、カビの原因になるので、
必ず乾燥させてから保存します。
6. 種の保存
乾燥させた種は、通気性の良い紙製の封筒などに入れ、
風通しの良い暗所に置いておきます。
湿度の高い場所だと、種が湿気て傷む原因となります。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方