キュウリをスーパーで買うだけでは分かりませんが、
実際に育ててみると、葉が意外と大きいことに気づきます。
キュウリはこの大きな葉で呼吸をして、光合成をして育ちます。
そのため、葉はとても大切な部分です。
葉がしおれたり傷んだりして数が減ると、生育不良の原因となります。
また、生理障害や病気の症状が出やすいのも、葉です。
キュウリに起こる生理障害の中に、亜硝酸過剰というものがあります。
亜硝酸過剰になった場合にも、葉に症状が出るのでしょうか。
また、亜硝酸過剰の原因や対策も、あわせてご紹介します。
[キュウリ 亜硝酸過剰]
■主な症状
・葉の黄化
亜硝酸過剰が起こった時に出る主な症状は、葉の黄化です。
中位からやや上位気味の葉が、ようやくを残した状態で黄化します。
この症状は、鉄欠乏に酷似しますが、キュウリの順化能力によって、
後から出てきた葉には症状が出なくなるのが特徴です。
■主な原因
・通気性が悪い
亜硝酸過剰の主な原因は、通気性の悪さです。
水耕栽培でも土栽培でも、通気性の悪い状態が続くと、
亜硝酸の発生が増えやすくなります。
これは、通気性の悪い状態だと、亜硝酸を発生させる菌が活発になるためです。
水耕栽培でも土栽培でも、亜硝酸の濃度がかなり高くならないと、
亜硝酸過剰の症状は出ないといわれています。
けれど、改善には栽培環境や土の状態など、
根本的な原因の解決も必要になるので、最初から予防しておいた方が良いでしょう。
・多肥
亜硝酸は、肥料や堆肥などの有機物を分解する際に発生します。
そのため、肥料や堆肥などが過剰に含まれていると、亜硝酸が発生する量が増え、
過剰症状が出るようになります。
■対策
・栽培環境の改善
亜硝酸は、通気性が悪い状態で発生量が増えます。
そのため、どのような栽培法で育てる場合であっても、
通気性を良くしておくことが大切です。
水耕栽培では、養液中に豊富な酸素を含ませるだけでなく、
容器のフタと養液の間に空気の層を作り、通気性を良い状態を作ります。
土栽培の場合は、土壌改良を続け、
水もちと水はけの良い土作りを心掛けます。
水耕栽培でも土栽培でも、通気性の良い環境を作っておくことで、
亜硝酸過剰以外の生理障害や、病害虫の予防にもつながります。
・施肥計画
多肥にしてたり、有機物がやたらと多い状態になると、
どうしても亜硝酸の発生量が多くなります。
もちろん、肥料切れはキュウリにとっても良くありません。
けれど、それと同じくらいに、多肥の状態は危険です。
栽培前の土作りの段階で、堆肥などの有機物を入れることが多いですが、
多量に使うのは控えましょう。
また、元肥や追肥を与える時も、量には注意します。
■判断基準
亜硝酸過剰は、かなり亜硝酸濃度が高くないと、症状が出ないといわれています。
けれど、症状が出ていないうちでも、多肥の状態は危険です。
亜硝酸過剰を予防するためにも、
多量の肥料や堆肥を与えるのは控えましょう。
通気性の良い土を作るのも、1度の改良では難しいものです。
何年も土壌改良を続けることで、ようやく形になることもあります。
土栽培で亜硝酸過剰をはじめとする生理障害が出た場合は、
施肥の状態を確認するとともに、土壌診断を行うのもお勧めです。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方