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福富
福富(ふくとみ)は、株式会社埼玉原種育成会のキュウリです。
この品種は、うどんこ病とべと病、キュウリが最もかかりやすい、
2つの病気に対して高い耐病性を発揮する多収性のキュウリです。
高温期の栽培でも、葉焼け、芯焼けの発生も非常に少なく、
栽培期間中、安定した収量を確保できる品種として、人気です。
■福富の特徴
・茎
主枝は太く、節間は中くらいです。
側枝の発生が良く、孫枝も確実に発生します。
・葉
大きさは中程度ですが、鮮やかなグリーンでしっかりした葉です。
やや角のある葉で、日光も浴びやすい生え方をします。
・草姿と草勢
しっかりとした株に育つので、夏の暑い日にも強く、
芯焼けや葉焼けといったトラブルになりにくい品種です。
・果実
福富は、1つの果実が約100グラムほどまで育ちます。
長さは、21~22センチと平均サイズで、収穫初期や終わりでも、
短くなりにくく、安定した収穫をすることができます。
果実の形も、整っていて、収穫期間を通して揃いが良く、
出荷用としてもおすすめの品種です。
鮮やかなグリーンで、ツヤもあり、果実の表面もとてもきれいで、
食味、食感にも優れた品種です。
・食べ方
主に生食に適しています。
一般的なキュウリと比べて、あまりゴツゴツとした印象はなく、
皮が薄いので、とても食べやすく、シャキッとした食感が味わえます。
・収量
生育初期から、たくさんのキュウリが収穫できます。
肥大性も良く、収穫終わりまで安定した収穫が得られるので、
多収性品種という名前に間違いはありません。
・耐病性
うどんこ病とべと病に高い耐病性をもった品種です。
しかし、現在はさらに病気に強い品種もたくさん出てきているので、
特別病気に強いという品種ではありません。
しかし、キュウリがかかりやすいうどんこ病とべと病、
この2つの病気に耐病性をもっているので、安心して栽培できます。
キュウリの美味しさを活かして調理します
■福富の栽培のコツ
・種まきの適期
3月~6月頃が種まきの適期です。
・適作型
トンネル栽培、夏秋栽培、ネットハウス栽培、雨除け栽培など、
多くの作型に適していて、とても栽培しやすいです。
・雌花率
主枝の雌花率は、30~40パーセントほどです。
側枝以降は、近~節成りで、各節に1~2つの果実がなります。
・台木
おすすめの台木は、ゆうゆう一輝黒タイプ、オールスター一輝、
ブルーム台木・ウルトラ南瓜・ウルトラD南瓜です。
福富を育成した、埼玉原種育成会から出ている台木なので、
安心して栽培することができます。
・仕立て方
側枝の発生が良いので、1本仕立てがおすすめです。
・整枝
下位7~8節の主枝の雌花と5節くらいまでの側枝は早めにとります。
側枝(子づる)の摘芯は、下段1節止めか、中段2節止め、
上段1~2節止めが理想です。
主枝は、約160センチほどの草丈になるまで伸ばし、
孫づるに関しては、半放任で栽培できます。
・摘葉
1日に、1~2枚を限度とし、摘葉して株の安定化を図ります。
古い葉を摘葉することで、新葉も充実してきます。