キュウリはパリッとした食感と、みずみずしい果肉が魅力の野菜です
夏の暑い時期に、冷えたキュウリをかじれば、
爽やかな香りと食感で涼を得ることができます。
自宅でも育てられる野菜として、家庭菜園でも人気のあるキュウリですが、
実際に育ててみると、皮が硬いと悩む方が多いのです。
キュウリの皮が硬くなるのには、何か原因があるのでしょうか。
[キュウリ 皮が硬い]
■キュウリの皮が硬い理由
現在、スーパーなどで市販されるキュウリのほとんどは、皮が薄くておいしいです。
けれど、自分で育てて見たら、皮が硬くて食べにくい、おいしくない、
という悩みを持つ方が意外と多いです。
キュウリの皮が硬いのには、理由があります。
まずはその理由を知り、原因を取り除くことで、
キュウリ本来のおいしさを楽しめるようになります。
ブルームのあるキュウリ品種は皮が軟らかいです
・品種による特性
キュウリには、とてもたくさんの品種が存在します。
キュウリの皮の表面に、白っぽい粉のようなものがついているのを、
見かけたことはありませんか?
これはブルームと呼ばれるもので、
キュウリ自体が出しているロウのような物質です。
ブルームで果実の表面を覆うことで、実が乾燥するのを防いでいるのです。
けれど、現在市場に出回っているキュウリのほとんどが、
ブルームレスと呼ばれる品種で、
白っぽい粉が付着することがありません。
以前、このブルームが農薬のように見えることで、売れ行きが落ち込み、
そこから改良を重ねた結果、ブルームレスが誕生しました。
ブルームは、実の乾燥を防ぐためのものです。
そのため、その乾燥を防ぐブルームのない品種は、
乾燥から実を守るために、皮が厚く硬くなる傾向にあります。
どのキュウリ品種を育てているのかが分かれば、
ブルームが出ても農薬だと勘違いすることはないですね。
皮が柔らかいキュウリを楽しむのであれば、
ブルームレスではない品種を選ぶのも、良い選択です。
実が育つスピードが落ちると皮は硬くなります
・生育不良
キュウリの実は、1日で思っている以上に育ちます。
前日の朝、収穫はもう少し大きくなってから、と思っていた実が、
翌日には巨大なキュウリに育っていることも少なくありません。
このように、生長スピードが速く、波に乗っている状態のキュウリであれば、
皮はあまり硬くなりません。
ところが、生育が悪くなり実が育つスピードも遅くなると、皮が硬くなります。
これは、つるにつけている期間が長くなるために起こる症状です。
生育が悪くなる原因としては、水切れや肥料切れ、
何等かの根傷み、病害虫などが考えられます。
キュウリに何か特別な症状が出ていないかをよく観察し、
原因を特定した後に対処します。
栽培後半のキュウリは、生育不良と同様、実の皮が硬くなります
・栽培後半
キュウリはスタートダッシュが早く、他の夏野菜よりも早くから収穫が開始できます。
その分、栽培後半になるとスタミナ切れ(成り疲れ)を起こしやすいのが、
キュウリの難点です。
梅雨明け後、急激にキュウリの生育が落ちてくると、
つるに実をつけている期間が長くなるため、
生育不良の時と同じように、実の皮が硬くなります。
栽培前半から、水や肥料の管理をしっかりと行うことで、
栽培後半になってもスタミナ切れを起こすのを防ぎます。
また、梅雨明け後は、日差しが強くなって気温も上がるので、
敷きワラなどを利用して、地温が上がりすぎないようにする工夫をしましょう。
あるいは、栽培後半になって生育が悪いと感じたら、
すぐに栽培を終了し、次の栽培に取り掛かるという手もあります。
大きく育てると皮が硬くなります
・収穫遅れ
キュウリの実は、取り遅れるとかなり大きく育ちます。
巨大になってから収穫すると、皮がとても硬く、中には種が目立つようになります。
大きく育ったキュウリは、たいてい皮が硬くなっていて生食には向かなくなるので、
収穫はできるだけ早めに行うのが美味しいキュウリを収穫するコツです。
毎日見回りをしていても、うっかり見落としてしまうことがあり、
そんな時は、巨大な育ったキュウリを収穫することになります。
大きく育ったキュウリも、食べられないわけではないので、
炒め物などにして食べることができます。
やはり生食で楽しみたい場合、できるだけ収穫遅れが出ないようにします。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方