キュウリといえば、トマトやトウモロコシ、ナスと並ぶ夏野菜の代表的存在です
スーパーに行けば年中売られているキュウリですが、
実際に育てる時には、どれくらいの温度が適しているのでしょうか。
[キュウリ 栽培温度]
■発芽適温と栽培温度
キュウリだけでなく、植物には発芽適温と栽培適温があります。
発芽適温は、種から芽が出るのに適した温度です。
栽培適温は、発芽後の生育に適した温度です。
どちらも同じように感じますが、
実際には温度帯が少しずれていることが多いです。
たいていの場合は、発芽適温の方が高く、栽培温度(適温)の方が低いです。
キュウリの場合も同じで、
発芽適温はやや高めですが、栽培温度はそれよりも低くなります。
■キュウリ 栽培温度
・キュウリの栽培適温
キュウリの栽培適温は、だいたい18度~25度といわれています。
現在の日本の夏の気温を考えると、想像よりも低い温度帯です。
もっと細かく分けると、日中は22度~28度で夜間が17度~18度くらいが、
適温とされています。
真夏は日中35度以上になることも少なくありませんし、
夜は夜で熱帯夜が続くこともあります。
発芽適温は25度~30度とやや高めにも関わらず、
栽培適温はそれほど高くないですし、範囲も狭いです。
棚栽培は、日照、風通しが良く、地面と離れていて栽培温度が保ちやすいです
・栽培適温より広い栽培温度
キュウリは栽培適温でないと育たない、というほど弱くありません。
適温はあくまでも適温であって、絶対値ではありません。
生育できる温度(栽培温度)は、適温よりも幅が広いです。
キュウリは夏野菜ということもあり、低温に弱いです。
7度を下回ると生育が止まり、0度を過ぎると枯死します。
はっきりとした温度としては7度や0度となっていますが、
10度を下回る日が続けば7度に達していなくても、
生育がかなり緩慢になって止まったようになります。
また、霜に当たった時の影響がとても大きく、
0度を記録していない場合でも、枯死することがよくあります。
しかし、高温に特別強いというわけでもありません。
生育できる温度の上限は、35度です。
これを越えると、低温時と同じく生育が止まります。
低温ほど急激な影響は受けませんが、
暑い日が続くとバテるのが早くなる印象です。
・地温にも注意する
栽培温度とは、植物が生育できる気温ですが、
大切なのは気温だけではありません。
植物は土の中で根を生長させて生きています。
そのため、地温もとても重要となります。
キュウリの場合、気温よりも地温の方が涼しい環境を好みます。
根の生育に最も適した地温は、20度~23度とされています。
根が土中15㎝くらいに集中し、あまり深くまで張らず、
どちらかというと表層に広がって育つということもあり、
地温の変化には、たいへん敏感です。
梅雨明け後、日差しが強くなって気温が高くなってきたら、
地温が上がりすぎない工夫をすることで、
生育が悪くなるのを防ぐことができます。
キュウリの袋栽培、日照や温度など栽培環境が変わったら移動できるのが強みです
■栽培温度の範囲を守る
生育適温(栽培適温)と栽培温度とは、温度の範囲が異なります。
けれど、耐えられる低温や高温ギリギリの中で育てるのは、
キュウリにとって良くありません。
辛い状態が続けば、その分キュウリにストレスがかかるため、
予想したような収量が得られないこともあります。
できるだけキュウリが生育しやすいよう、栽培温度からはみ出さず、
生育適温に近づけるような工夫をしましょう。
・低温から守るには
苗の定植直後や、秋キュウリを栽培する時など、
気温が不安定な時などは、保温をします。
苗が小さいうちは、ホットキャップや風よけをするだけで、
寒風から守ることができますし、地温や株周りの気温も上げやすくなります。
・高温から守るには
地温が高くなりすぎると、根が傷む原因となります。
キュウリが正常に生育するために、日照はとても重要です。
株全体に陰を作ると、どうしても日照不足になるおそれが出てきます。
日照を確保して地温を下げるには、株元に陰を作るのが一番です。
キュウリの株元周りに、マリーゴールドやパセリ(ハーブ類)など、
背の低い植物を育てたり、物を置いて陰を作ります。
鉢やプランターで育てているのであれば、容器全体が隠れるような陰を作ります。
容器全体が陰になることで、容器内の温度が上がりにくくなります。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方