キュウリはみずみずしく、パリッとした食感の実をつける夏野菜で、
家庭菜園でもとても人気があります
日本では年中お店に並んでいるので、とても馴染みのある野菜でもあります。
そんなキュウリですが、時折あらわれるとても珍しい現象があるのだそうです。
いったい、どのような現象なのでしょうか。
[キュウリ 実から葉っぱ]
■キュウリ 実から葉っぱ
キュウリの実といえば、細長く緑色をしていて、
表面にはトゲのようなイボがついています。
近年は品種改良も進み、イボなしのものや、表面に出る白い粉が出ないものなど、
栽培や調理がしやすい品種も出ています。
日本でも古くから栽培されている野菜で、実が半分白っぽい色をいている半白や、
大きくて太い加賀太キュウリなどは、伝統野菜として知られています。
いずれの品種も、雌花が開花した後、付け根にある子房と呼ばれる部分が肥大し、
一定のサイズにまで育ったら収穫します。
実はイボやブルームの有無はあっても、どれも似たような形をしています。
ところが、中にはこの実から葉が伸びてくるものがあるそうなのです。
キュウリ 実から葉っぱが出るのは?
非常に珍しい現象であるということで、新聞に掲載されたこともありました。
その後、そのような現象が起きたという情報がいくつか寄せられ、
ごく稀ではあるものの、キュウリには起こりうることだと分かりました。
細長いキュウリの実の途中から、
つるから伸びているものと同じような葉っぱがはえてきたら、とても驚きますが、
同時にとても興味深くもあります。
■キュウリ 実から葉っぱが出る理由
キュウリの実から葉っぱが出てくる現象は、とても珍しいものですが、
いったいどうしてこのようなことが起こるのでしょうか。
この現象自体が珍しいため、まだ研究途中ではありますが、おおよその見解としては、
花に何等かの異常があったのでは、ということのようです。
そもそもキュウリに花が咲くようになるのには、
花芽分化という現象がキュウリの中で起こります。
この時、本来は葉となる予定だった部分が変形し、ガクや花弁、
雄しべや雌しべといった花の部位となり、それらがまとまって花となります。
つまり、花はもともと葉だったということになります。
キュウリの実にはえてきた葉っぱも、本来はガクや花弁になる予定のものが、
変異によって葉になったと考えられています。
花芽分化の時点で、何等かの異常が起こることで、一部分だけ葉となるのでしょう。
先祖返りのようなものなのかもしれません。
花芽の異常は、形成時の低温や高温、乾燥、病気、
害虫の被害などが原因で起こります。
通常の栽培中でも、花芽に異常が出たものは、奇形果になることがよくあります。
実から葉っぱがはえてきたとしても、重篤な病気というわけではありません。
また、特定の品種から出やすいということも、現状ではないようです。
その後の様子で特に異変がなければ、そのまま栽培を続行しても問題ありません。
もし育てているキュウリの実から葉っぱが出ているのを見つけたら、
記念に写真を残しておくと良いでしょう。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方