キュウリ 遅まきもメリットが多いです
キュウリ栽培といえば、5月に入った頃に苗を植え付けるのが基本です。
この頃になると、ホームセンターなどの苗売り場でも、
たくさんのキュウリ苗が並びます。
けれど、キュウリ栽培は春に植え付けを行う作型だけではありません。
春栽培と少しずらして、遅まきしても育てることができます。
キュウリの遅まき栽培は、どのようにして行うのでしょうか。
[キュウリ 遅まき]
■キュウリ 遅まきのメリット
キュウリ栽培は5月頃に苗を植え付けるのが普通ですが、
遅まきにすることもできます。
遅まき栽培では、6月頃に種を播き初秋に収穫できますが、
遅くに種を播くことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
・長期栽培が可能
通常、5月に苗を植え付けても、そのまま順調に生育すると、
6月頃から収穫が始まります。
キュウリはスタートダッシュができる野菜である反面、
スタミナは弱く、長期栽培には向きません。
一般的には、5月に苗を植え付けた株は、
7月下旬には栽培が終了することも多いようです。
そんなキュウリですが、遅まきをして育てることで、
5月に苗を植え付けた株と入れ違いに、キュウリを収穫できるようになります。
しかも、今度は気温が少しずつ下がってくるため、生育が緩やかになり、
長く栽培ができるのが魅力です。
初夏~秋にかけて、長く収穫を楽しみたい方には、お勧めの栽培法です。
直播きは、楽です
・直播きが可能
キュウリは苗を植え付けるものだと思われている方も多いですが、
種を直播きすることもできます。
ところが、キュウリの種が発芽するためには、25度以上が必要となります。
その点、6月に種を播けば、すでに気温が十分上がっている時期なので、
加温しなくても発芽しやすい環境が整います。
梅雨の雨が続き、気温がやや低い日が続いても、ホットキャップなどを使って、
簡単に冷えを予防するだけで、発芽しやすい環境を守れます。
・寒さに当たりにくい
通常の春栽培では、5月に苗を植え付けます。
この時期になれば、遅霜の心配はほぼありません。
苗を植え付けた後に霜に当たって枯れる、ということはありませんが、
風の強い日などは、思っている以上に気温が下がることがあります。
適温からはずれた低温に当たると、キュウリの苗は生育が著しく悪くなります。
また、花芽形成時に低温に当たることで、奇形果が増えることもあるので、
苗のうちは保温が欠かせません。
その点、6月栽培なら暖かい時期から栽培をスタートできるので、
春にスタートする作型よりも、寒さに当たりにくいのが特徴です。
春の植え付けの反省点を活かすと良いキュウリが育ちます
■キュウリ 遅まきのポイント
キュウリは遅まき栽培になっても、基本の育て方はほとんど変わりません。
ただ、栽培開始の時期が少しずれている分、
気温や環境の変化には、以下のような注意が必要です。
・準備
遅まき栽培でも、土作りや畝立てといった準備は必要です。
土に加える堆肥や苦土石灰の量などは同じですし、畝の立て方も同じです。
乾燥が気になる場合は、畝立て後に黒のビニールマルチをすると良いでしょう。
土作りの時、土に加える元肥の量には注意します。
肥料は、水分が多く気温の高い時期の方が、効果が出やすくなります。
そのため、遅まき栽培では、初期から元肥が効きやすくなるため、
つるボケを起こす可能性が高くなるのです。
元肥は多めにするのではなく、少し控えめを意識して土に加えるのがお勧めです。
立派なキュウリができますよ
・直播きする
遅まき栽培では、直播きが基本です。
もちろん、春植えと同じように、育苗をしてから定植することもできますが、
初心者の方の中には、育苗が苦手ということもあります。
6月に種を播くので、気温と湿度が高いため、発芽しやすい環境です。
発芽さえ成功させれば、あとは比較的スムーズに育つので、
遅まき栽培では、ぜひ直播きで育ててください。
苗をポットからはずしたりすることがないため、
植え付け時の根傷みの心配もありません。
・乾燥と高温に注意
遅まき栽培では、キュウリが好む気候での栽培が可能ですが、
やはり真夏の乾燥と高温は、キュウリにとって辛いものです。
土が乾燥していると感じたら、たっぷりと水を与えることも大切ですが、
過度に土から水が蒸発しないよう、敷きワラなどのマルチをするのがお勧めです。
キュウリの根は、少し浅めではあるものの、広い範囲に伸びていきます。
畑では、畝と畝の間の通路にまで伸びることがあるので、
敷きワラは通路までしっかりと敷くと、さらに乾燥を防げます。
黒のビニールマルチをしている上からも、敷きワラをすることで陰を作れるので、
地温が上がりすぎる心配もなくなります。
・高温期中は小さめ収穫
気温が高いうちは、次々と花が咲いて実がなります。
実が大きくなるスピードもとても早いので、気温が高いうちは、
少し小さめかなというサイズで収穫します。
少し小さいうちに収穫することで、株への負担が減らせます。
株への負担が減れば、その分、栽培後半までスタミナが持続し、
良い花が咲いて、良い実がなります。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方