キュウリは株間を40~50㎝あけると元気に育ちます
キュウリの苗を準備し、植え付けが済んでそろそろつるが伸びてきた頃、
自分が育てているキュウリが、きちんと育っているのかどうか、気になる方は多いでしょう。
キュウリの草勢がきちんとコントロールされているかどうかは、
キュウリの株を観察すれば分かります。
キュウリの草勢がちょうど良い時、強い時、弱い時の特徴をまとめました。
[キュウリ 草勢の見方]
■キュウリ 草勢の見方
キュウリの草勢は、つるの太さや葉の色や大きさ、
花の大きさなどで見ることができます。
まずは、きちんとコントロールされて育っている、
ちょうど良い草勢の特徴をチェックしましょう。
◎ちょうど良い草勢の特徴
・開花している雌花から生長点まで
キュウリはつるを伸ばしながら、葉の付け根部分に花芽をつけます。
キュウリは雌花と雄花が分かれて咲くタイプの植物です。
最上段で咲いている雌花から、生長点までの長さや葉の枚数によって、
草勢を見ることができます。
ちょうど良い草勢であれば、開花中の雌花から生長点までは、だいたい50cmほどです。
葉の枚数でいえば、5枚~6枚が展開しているのが理想的です。
・生長点付近の葉
生長点に近い部分の葉は、最もその時の栄養状態が見える場所です。
生長点付近の葉につやがあり、つるもしっかりとしているのであれば、
栄養状態はバッチリです。
・葉柄の角度
つるの節ごとに葉がつきますが、その葉がどれくらいの角度になっているかも、
草勢の目安になります。
ちょうど良い草勢であれば、葉とつるをつないでいる葉柄と呼ばれる軸が、
つるに対して45度くらいの角度で、斜め上向きに伸びています。
巻きひげが太くて張りがあり、雌花が斜め上を向いているのが良い状態です
・巻きひげの状態
キュウリは中心となるつるを伸ばしなら生長しますが、
長く伸びたつるを固定するために、巻きひげを発生させます。
この巻きひげも、草勢の目安となります。
巻きひげは太くて張りがあり、ピンと伸びているものが良い状態です。
・雌花の状態
育てているキュウリの株が充実しているか、肥料状態が良いかどうかは、
雌花の状態を見ることでも、知ることができます。
雌花の花色が鮮やかな黄色で、斜め上を向いて咲いている状態がベストです。
■キュウリ 草勢が強い時
キュウリの草勢が強い時、一見すると調子が良さそうに見えるので、少し厄介です。
調子よく生長している状態を見ると、丈夫に育っているなと感じますが、
草勢の強さによっては、その後に急激に調子を崩したり、着果率が悪くなります。
葉色が濃く葉が大きく丸いのは草勢が強い状態です
◎草勢が強い時の特徴
・葉色が濃い
草勢が強い時によく見られる特徴の1つに、葉色が濃いというものがあります。
葉は目につきやすいので、草勢診断の時には目安にしやすい部分です。
通常よりも葉色がやたらと濃い時は、肥料過多によって、草勢が強くなっています。
・つるが太い
つるが太すぎる時も、肥料過多によって草勢が強くなっている時です。
特に窒素は、つるや葉を大きく生長させる効果のある肥料成分のため、
窒素過多になると、つるが太くなりやすいです。
・葉が丸い
キュウリの葉には、切れ込みが入ります。
ところが、草勢が強くなっている株では、葉の切れ込みがなく、
全体的に丸みを帯びた形になります。
・葉につやがあり垂れている
生長点付近の葉は、まだ新しいのでつやがある状態が良いですが、
時間が経つと徐々につやがなくなります。
完全に展開してから時間が経っているのに、いつまでたってもつやがなくならず、
しかも葉柄が下向きになっているために、葉が垂れている状態になることがあります。
この状態の株は、草勢が強いです。
花が大きすぎるのも、肥料が効き過ぎです
・花が大きい
花が大きいと、良い実ができそうに見えますが、大きすぎるのも考え物です。
花が大きすぎるということは、それだけ肥料が効いているということです。
肥料が効きすぎていると、どうしてもつるボケとなりやすく、収量が落ちます。
◎草勢が強い時の対処法
・追肥を遅らせる
肥料過多によって草勢が強くなっている場合は、追肥のタイミングを遅らせることで、
今残っている肥料を使わせることができます。
また、追肥の時の肥料の量や濃度を確認し、あらためるのも重要です。
・摘葉する
キュウリは葉に光を受けることにより、光合成をします。
光合成をすることで養分を作るのですが、草勢が強いということは、
養分が有り余っているという状態です。
株に残っている養分を使わせ、新しく作られる養分を減らすため、摘葉をしましょう。
実の生育に影響がないよう、下葉から摘葉し、様子を見ます。
ただし、摘葉しすぎると株が弱るので、摘葉の枚数には注意します。
・遅めに収穫する
キュウリは若どりが基本ですが、少し大きめになるまで育てて収穫することで、
余っている養分を使わせることができます。
規格の決まったサイズを収穫したい場合は不利ですが、家庭菜園であれば、
多少実が大きくなっても問題ではありません。
■キュウリ 草勢が弱い時
キュウリの草勢が弱まっている状態で放っておくと、どんどん調子を悪くし、
ついには枯れてしまうこともあります。
草勢が弱いと、病害虫の被害も出やすくなるので、サインを見逃さないようにしましょう。
葉色が薄く全体に元気がありません
◎草勢が弱い時の特徴
・葉色が薄い
肥料が足りていない時などは、葉色が薄くなりやすいです。
通常の葉色を覚えておき、薄くなった時にすぐ気付けるようにします。
・葉が小さい
大きな葉を作るほどの養分がなく、葉が小さくなってしまった状態です。
・雌花が小さい
株全体が貧弱なため、そこで咲く雌花も小さく弱々しいものになります。
・生長点の葉が小さい
生長点付近の葉が小さく、勢いの感じられないものは、草勢が弱いです。
・巻きひげが弱々しい
株を支えるための巻きひげも、草勢が弱いと貧弱になります。
先端がぐにゃぐにゃと曲がっていたり、黄化することもあります。
葉が弱々しく張りがありません
・最上段の雌花から生長点までの葉が少ない
ちょうど良い草勢の時とは違い、最上段の雌花から生長点までにある、
葉の枚数が少ない場合は、草勢が弱い時です。
◎草勢が弱い時の対処法
・水を与える
キュウリの草勢が弱まる原因の1つに、水分不足があります。
キュウリは思っているよりも、水分を欲しがります。
土が乾いていると感じたら、たっぷり与えるようにしましょう。
・肥料を与える
肥料不足によって草勢が弱まっている時は、追肥の時期を早めると良いでしょう。
状態が悪い時は、葉面散布も効果的です。
ただし、根が肥料焼けを起こしたことで、調子を崩している場合もあるので、
肥料が足りていない場合にのみ、追肥を行います。
・実を小さめで収獲する
実があまり大きくなるまで放っておくと、余計な体力を消耗します。
品種にもよりますが、18cmほどになればおいしく食べられるので、
その長さを基準に早めの収穫を心がけましょう。
■参考
・キュウリ 種からの育て方
・キュウリ苗 枯れる
・キュウリ 地植えの育て方
・キュウリ プランターの育て方